タミフルの使い方とクラリスを併用する目的

インフルエンザウイルスは、抗原連続変異や抗原不連続変異を繰り返すへマグルチニンが感染細胞のシアル酸糖鎖と吸着する事で感染細胞でウイルスの脱殻が行われ、感染細胞の遺伝子情報の書き換え増殖の為のタンパク質やリボ核酸の複製を可能とします。増殖したウイルスは、シアリダーゼの作用によりシアル酸糖鎖から遊離して、健康な細胞に感染していきます。インフルエンザウイルスは、発症後24時間で100万倍に増殖するとされ、発症後約48時間で増殖のピークをむかえ、以降は獲得免疫と呼ばれる生体防御機構の発動によりウイルスは駆逐されます。その為、タミフルの治療薬としての使い方は、発症後48時間以内で出来るだけ早い時期に服用します。又、タミフルの予防薬としての使い方は、感染者との接触後48時間以内に服用を開始し、1日1回の服用を7日〜10日間継続する事でウイルスが増殖する前に完治させます。
生体防御機構には、マクロファージや樹状細胞などの抗原提示細胞による自然免疫とT細胞やB細胞などのリンパ球による獲得免疫の2種類があり、先に自然免疫が発動し獲得免疫の発動には時間を要します。タミフルなどのノイラミニダーゼ阻害薬の早期服用は、獲得免疫がしっかりと発動し抗体を十分に形成する前に治癒してしまい、抗体形成が不十分な為にインフルエンザへの再感染リスクが高くなります。その為、抗体の形成をサポートし免疫機構の働きを促進する抗生物質クラリスをタミフルと併用し、増殖を抑制しながら抗体をしっかりと形成します。
クラリスは、クラリスロマイシンを主成分とする蛋白合成阻害薬に分類されるマクロライド系の抗生物質であり、一般的な使い方としてはブドウ球菌やレンサ球菌、肺炎球菌などの抗菌に用いられています。

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